書籍紹介
在インドネシアの知人から中学校用の社会科教科書を送ってもらいました。その中で日本占領期について書かれているセクションを日本語へ訳し、紹介いたします。
IPSはIlmu Pengetahuan Sosial(社会科学/社会科)、そしてSMPはSekolah Menengah
Pertama(中学校)の略称。Kelas VIIIは「8年生」となるのですが、小学校(6年)からの通しで数えて8年目。ということで中学2年生向けということ。また、2学期用の教科書であり、全体の分量も少なめです。
出版元 Penerbit ErlanggaのWebは結構充実しており(ただし重いです)、様々な出版物が案内されています。中学校向けに歴史(Sejarah)の教科書もあるので、そのうち読んでみたいものです。
- 社会科IPSと歴史Sejarahがインドネシアの中学校教科の中でどんな風に区分されているのか良く分かりません
- 先般翻訳完了した高校生向け教科書に比べると、記述量ははるかに少なく(1/4~1/5程度?)、日本の占領政策よりも、インドネシア独立へ向けての動きに記述の重点が置かれています。
- また、この章の後には社会制度についてのセクションもあり、歴史だけでなく政治経済も合わさったような感じです。
- 表紙右上に"KTSP 2006"と表記されており、2006年度カリキュラム(指導要領)に基づくものです。KTSPはKurikulum
Tingkat Satuan Pendidikanの略。直訳すると、"教育単位学年カリキュラム"。日本語として定訳があるのか不明。
なお、翻訳にあたっては、TRTEXTを使っています。TRTEXTについて興味のある方は、是非「TRTEXTでインドネシア語を読む」もご覧ください。
最後に、(私の道楽のため)教科書の入手に尽力いただいた在イの知人に感謝いたします。
日本語訳を掲載します。
高等学校3年生向け歴史教科書及び小学校6年生向け歴史教科書も是非ご覧ください。
スハルト体制末期(1998年)に刊行された高等学校用歴史教科書の翻訳も掲載しています。
日本軍占領期のインドネシアについては、次のサイトも合わせて読まれることをお勧めします。
このサイト内の次のページも是非ご覧ください。
更新記録
- 2008年7月20日
更新箇所について、これまで本文内の校正箇所を赤のボールド文字で示してきましたが、校正箇所が増え文章が読み難くなりましたので、これまでの記述(赤のボールド文字)をいったん全て削除し、校正箇所を本文へ統合しています。ご了承ください。
- 2008年5月25日
皇紀2605年の表記のページを更新しました。
- 2008年5月12日
Kenpetai(憲兵隊)についての訳注に追記しました。→ジャワでの憲兵隊
- 2008年5月3日
皇紀2605年の表記のページを更新しました。
- 2008年4月30日
独立宣言で使われた年号「(皇紀)05年」についてのページを追加しました。→皇紀2605年の表記
- 2008年4月27日
ハッタの回想録から、この教科書の内容に関連している箇所を引用しました。訳注内に追加しています。